ぼうさいこくたい2018は「大規模災害に備える・みんなの連携の輪を地域で強くする」というテーマを掲げています。そこで、出展団体インタビューでは、出展団体それぞれの防災活動を通して、どのような連携の輪が作られるか、考えていきたいと思います。今回は「保障」という切り口から全労済(全国労働者共済生活協同組合連合会)事業推進統括部 広報室 広報・宣伝課 金子 木の実氏に話を聞きました。
全労済の事業内容
全労済は一言で申し上げますと、保障の生協です。私たちが生活するうえで起こるかもしれない様々なリスクに備える保障、「共済」を扱っています。(協同組合が行う保障事業は「保険」ではなく、「共済」と呼んでいます)。協同組合は出資金をお支払いいただくことで誰でも組合員になることができ、共済に加入することができます。組合員はあらかじめ一定の金額(掛金)を出し合って、共同の財産を準備することで、死亡や災害時の不測の事故が起きた場合に生じる経済的な損失を補い、生活の安定を図るため、共済金を受け取ります。つまり、共済は組合員の誰かが困ったときに、他の組合員全体でたすけるという仕組みです。
全労済では、火災や自然災害によって受けた損害を保障する「住まいの保障」や、組合員や、そのご家族に万一のことがあったときの「遺族保障」、病気やけがで入院されたときの「医療保障」、車での事故による賠償や損害を補償する「車の補償」など、様々なリスクに備えることが出来る共済を取りそろえております。
防災・減災活動への思いや考え方
私たちは「安心」を提供する組織として、大規模災害が起きた際に、生活再建が出来ない無保障者をなくすため、住まいの保障の重要性について訴求し続けています。
昨今、自然災害が頻発しており、地震、台風、長雨など思いつくだけでも沢山ありますが、自然災害リスクの高まりと同時に、いつどこで大規模災害が発生するか、という予測もかなり、難しくなってきています。
もはやどこにいても自然災害を避けることは出来ないという前提のもと、災害が起きてしまった際に、出来るだけ被害を最小限に抑えるという、「防災・減災」の考え方も保障の重要性同様、啓発をしていくということは、全労済としての大切な使命であると考えています。
災害は怖いといった漠然とした不安を抱えたままの状態では、いざというときに正しい判断ができませんので、事前に災害についての正しい知識を持っていただき、どんなことが想定されるのか、どういった備えが必要なのか考えていただくきっかけとなる「防災・減災」の活動を積極的に実施していきたいと思っております。
また、全労済は、組合員になにかあったとき、不安を抱えた組合員が少しでも安心できるよう、いち早く共済金をお支払いすることを第一としています。基本的に、被害を受けられた場合には、実際に被災者のお宅にお伺いさせていただき、住宅の被害箇所を確認・調査させていただきます。中でも、東日本大震災のような大規模災害が発生した際には、迅速に共済金をお支払いするため、全国から全労済職員の動員体制を組み、対応させていただきます。大規模災害時、北海道から沖縄まで全国の職員が対応に駆けつけさせていただくというのが、全国組織である、私たちの強みでもあります。
防災・減災への具体的な活動
全労済では「防災・減災活動」、「環境保全活動」、「子どもの健全育成活動」の3つの活動を社会貢献活動の重点分野として位置付けており、積極的に地域社会に貢献する活動を展開しております。
防災減災活動については、「ぼうさいカフェ」を2008年2月以降実施し、「楽しく、わかりやすく」をモットーに非常食の試食、専門家による講演会等、家族連れで参加できるプログラムを全国各地で、現在も継続して開催しています。こういったぼうさいカフェの他に、防災・減災、子どもの健全育成の活動として全労済の読み聞かせ会を実施しています。元々は東日本大震災で被災された子どもの心のケアを目的に実施をしていましたが、小さな子どもたちの防災意識を高めるために、「じしんがきたらぼうさいえほん〈ぼうさい〉」という絵本を作成し、全国各地の幼稚園、保育園などで読み聞かせ会を実施しています。
「ぼうさいこくたい2018」の出展内容
「東日本大震災」や「西日本豪雨災害」など16点の災害写真パネルを掲示し、災害被害の大きさについてアピールするとともに、災害への備えや被災後の対応の大切さについて学んでいただきます。また、お子さまを対象に、『地震』と『非常食』をテーマとした「防災クイズ」を実施し、体験・参加いただくことで、万一の際の心構えや知識についてわかりやすく学んでいただきます。さらには、耐震教材「紙ぶるる」の工作実験をワークショップとして開催し、なるべく多くのお子さまにご参加いただくことで、家屋における構造補強「筋交い」の大切さを楽しみながら学んでいただきたいと思っています。
来場者へ向けてメッセージ
2018年は、大阪北部地震に続いて、西日本豪雨災害、そして、多発する台風と、日本列島各地で大きな自然災害が続いています。このような頻発する大災害に対して、もはや「想定していなかった」という考えでは身を守ることができません。常に自分ごとと捉えていただき、災害に直面した際、「想定内」として冷静に対応していくことが大切になってきます。
自然災害はいつ起きるか予想が出来ないことが多いもの。しかし、事前に知識を持ってできる限りの備えをしておけば、被害を軽減できることも多くあるのも事実です。日頃から避難のルールなどの約束ごとについて、家族で話し合ってみることも必要です。
また、万一の際を考え、我が家の保障について見直すことも重要です。全労済は、本日のような「防災・減災」をテーマとするイベントなどを通じて、暮らしの安全について皆様とともに考えていきたいと思っています。暮らしを取り巻くリスクを少しでも減らし、安全で安心して暮らせる社会が現実のものとなるよう、全労済はこれからより一層尽力してまいります。
全労済(全国労働者共済生活協同組合連合会)出展概要
- タイトル:「たのしく学ぼう!災害とわたしたちにできること」
- 出展日時:10月13日(土) 12:30~
- 出店場所:そなエリアWSテント2
- 出展内容:災害写真パネルを通じ、災害に備える大切さや、被災地における被害の大きさを実感いただきます。また、お子さんを対象とした「親子で学べる防災クイズ」や「紙ぶるる工作」も実施します。「紙ぶるる工作」は住まいの耐震や筋交いについて説明を交えながら工作を行います。どのような建物は地震に弱く、どのようにすれば地震に強くなれるのかを検証します。「災害」と「わたしたちにできること」を一緒に学びましょう!