ぼうさいこくたいの開催まで2か月を切りました。ぼうさいこくたい2018は「大規模災害に備える・みんなの連携の輪を地域で強くする」というテーマを掲げています。そこで、出展団体インタビューでは、出展団体それぞれの防災活動を通して、どのような連携の輪が作られるか、考えていきたいと思います。「災害時のペット」という切り口から一般社団法人ペット災害対策推進協会、事務局長の沼田一三氏に話を聞きました。
一般財団法人ペット災害対策推進協会その活動内容
協会の活動は、災害がないときの活動と、災害が発生した時の活動の2つに分かれています。平常時は、災害が起こった時にペットの救護活動のための準備を中心に、例えば人材の育成や、物資の支援調整、講習会、などを行っています。いざ災害が発生した時は、今でしたら西日本豪雨災害のように、災害時に自治体、都道府県、愛護団体の方々が、現地で動物救護運動というものを立ち上げるので、その現地の救護活動の後方支援をしています。具体的には、ペットシート、ケージ、などの支援物資を現地に送る、などの活動です。
災害時のペット
元々は98年の阪神淡路大震災の時に、飼い主が亡くなってしまったり、飼い主とはぐれてしまったペットを保護することから始まりました。災害が発生した際に、ペットは飼い主が無事なら、一緒に避難をすることができますが、飼い主が亡くなってしまったり、はぐれてしまった場合に放浪してしまいます。また、一緒に避難をしても避難所の人に動物アレルギーの人や動物が苦手な人がいたり、避難所に入れないことがあります。
そんな時に誰かにペットを預ける、現地ではそういう対策がされているんです。また、ペットフードも現地から要請があれば、ペットフード協会などにかけあって、送ってもらうようにしています。
阪神淡路大震災の時に前進である団体が発足し、その後三宅島や新潟、熊本での震災など災害の度に活動をしてきました。災害はいつ起こるかわからないので苦労もあります。特に、最近は地震に気を付ければいいだけではなく、今年の西日本や昨年の九州北部のように豪雨災害も増えています。
今回の出展内容
過去の災害時の写真や、飼い主とペットが一緒に避難ができるように避難所で受け入れてもらわないといけないので、普段からきちんと長時間ケージの中にいられるか、病気になっていないか、などの健康管理が常に必要、という啓発活動のパネル展示を行います。普段からそのような教育やしつけがされていないと、いざ災害が起こった際は難しくなります。日本人は割とペットのしつけができていない傾向にあり、小さなケージの中に長時間いることが耐えられないペットがたくさんいます。今は室内犬が多くなってきたので少しマシになってきましたが、昔は外飼いが基本でした。いきなりケージに長時間いれるとペットにとってストレスになってしまう、そういうことがないように日頃からのしつけを推奨しています。
災害が起こった際に人対策はよく言われますが、被害を受けるのは人だけではなくペットも同じです。ペットの救護活動は、まだあまり世の中に知られていないのが現実です。活動を通してペットの救護が必要だということ、救護のためには飼い主としてのしつけの必要性、また行政がどのような活動をしているか知ってもらいたいと思います。