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ハイレベルセッション
「大災害とわたし~トップリーダーがつなぐ災害の経験と教訓」

10/22(土)

12:30

場所:人と防災未来センター東館1階こころのシアター

企画趣旨

 日本でも、世界でも、毎年のように大きな自然災害が発生し、たくさんの人が被害を受けています。しかし、一人ひとりにとっては、めったに自分に降りかかることはないため、災害のニュースを見聞きしても、それはテレビやインターネットの向こうで起きている「他人事」に過ぎないと受け止められていないでしょうか。 
 日本中を揺るがしたあの東日本大震災から10年以上が経過し、今回の開催地神戸が被災した阪神・淡路大震災からも四半世紀以上が経ちました。大震災の記憶は遠くなり、震災直後のような危機感も薄れ、災害への備えを怠りがちな人も増えているのではないでしょうか。
 一方で、私たちは、関東大震災から100年という節目を間もなく迎えます。南海トラフ地震をはじめ、迫り来る巨大地震への備えを進めなければなりません。また、気候変動の影響による気象災害の頻発化や激甚化に備えていくことは世界共通の大きな課題です。
 ぼうさいこくたい2022のテーマ「未来につなぐ災害の経験と教訓~忘れない、伝える、活かす、備える~」には、被災地の悔しい思いを、災害を経験していない人たちとどうやって共有していけば備えが進むかについて、ともに考えたいという思いが込められています。
 このセッションでは、開催地兵庫と国内外の各界を代表するトップリーダーの方々から、おひとりおひとりの災害にまつわる「自分事」の体験とともに、それぞれのお立場からの防災の取組で何を意識してきたかをお話しいただきます。聞いていただけるみなさんがそれぞれ「自分事」として防災を深く考え、周囲にも「自分事」として広めていく知恵を共有する機会としたいと考えました。セッションを通じて、災害多発国日本に住む私たちが、改めて災害への備えの大切さを見つめ直していただくことで、災害の経験と教訓を未来につなぐ一助になることを目指しています。

基調講演:「復興思想の変容と東日本大震災」

パネルディスカッション

 パネリスト

 モデレーター

登壇者紹介

五百旗頭 真

(公財)ひょうご震災記念21世紀研究機構・理事長

1943年兵庫県西宮市出身。京都大学大学院法学研究科修士課程修了。法学博士。神戸大学法学部教授、防衛大学校長などを経て、現在(公財)ひょうご震災記念21世紀研究機構理事長、兵庫県立大学理事長。この間、政府の東日本大震災復興構想会議議長、くまもと復旧・復興有識者会議座長なども歴任。文化功労者。宮内庁参与。

上村 昇

内閣府大臣官房審議官(防災担当)

東京都出身。建設省(現国土交通省)入省後、国土交通行政のほか、人事政策や環境政策などに関わる。防災関係では、消防庁で救助、国際協力に携わった。2022年7月より現職。

齋藤 元彦

兵庫県知事

昭和52年11月15日兵庫県神戸市生まれ。 平成14年3月東京大学経済学部卒業、同年4月総務省入省。佐渡市企画財政部長、同市総合政策監、飯舘村政府現地対策室、宮城県総務部市町村課長、同県財政課長、総務省自治税務局都道府県税課課長補佐、同課理事官、大阪府財務部財政課長等を歴任。令和3年8月、第53代兵庫県知事に就任。

阪本 真由美

兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科 教授

神戸大学在籍中に起きた阪神・淡路大震災をきっかけに防災に関心を持つ。JICAで開発途上国への国際協力事業に携わった後に京都大学大学院博士後期課程修了。博士(情報学)。コミュニケーションや社会的ネットワークを活かした防災対策を研究している。また、自治体・地域・NPO等と防災対策の共同研究・実践に取り組んでいる。

中川 寿子

生活協同組合コープこうべ 常務理事

神戸市生まれ。1987年灘神戸生協(現コープこうべ)入所。現在は、生協組合員が自発的に行う被災地支援・防災活動のサポートや、大規模災害に備えて自治体・社協・大学・市民活動団体等との連携を推進する部署を担当。

久元 喜造

神戸市長

1954年神戸市生まれ。1976年旧自治省入省。自治行政局長などを経て、2013年に神戸市長に当選、現在3期目。 阪神・淡路大震災を乗り越えてきたまちとして、防災・減災など様々な面で国内外に貢献し、市民が誇りをもつ神戸であり続けるために、『海と山が育むグローバル貢献都市』の実現に取り組む。

水鳥 真美

国連事務総長特別代表(防災担当)兼 国連防災機関長

2018年3月、国連防災機関 (UNDRR) のトップとして国連事務総長特別代表(防災担当)に就任。その前は外務省で27年間勤務し、総合外交政策局安全保障政策課長、在英日本大使館広報文化センター所長などの要職を歴任後、英国のセインズベリー日本藝術研究所統括役所長を経て、現職。スイス・ジュネーブ在住。

モデレーター

中川 和之

株式会社時事通信社解説委員

昭和の頃から科学記者で地震や災害を取材。実家も被災した阪神大震災後、自治体や政府の各種委員会の委員を当事者感を持って務める一方、被災者の声を残す内閣府の「一日前プロジェクト」や、総務省消防庁の市長村長インタビューを記者仲間と実践。災害と自然の恵みの双方を次世代に伝える学会活動やジオパークにも関わる。
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