ぼうさいこくたいとは/防災推進国民会議メンバーからの
メッセージ ぼうさいこくたいとは/防災推進国民会議メンバーからの
メッセージ

ぼうさいこくたいとは

東日本大震災津波から10年が経過しました。震災で大きな被害を受けた岩手県は、防潮堤や道路の整備、街の復興はもとより、個々の防災意識の向上、復興の担い手の育成、そして、個人、団体など多様な主体がつながる場を設けるなど、ハード、ソフトの両面から、「Build Back Better(より良い復興)」を理念に、あらゆる主体が「つながり」ながら、復興に着実に取り組まれています。

防災力を高めるためには、行政による「公助」、国民一人ひとりが自ら取り組む「自助」、地域、企業、学校、ボランティアなどが互いに助け合う「共助」を適切に組み合わせる、すなわち、これらが「つながる」ことが重要です。さらに、災害時に命を守るためには、官民の様々な主体が連携し、それぞれの力が「つながる」ことが必要です。

また、岩手県をはじめとする東北の被災地では、経験者による語り部活動、震災伝承施設への訪問活動、震災を踏まえた防災教育の実践など、震災の記憶を風化させることなく語り継ぎ、防災意識を高める、そして、次の世代へ「つなげる」活動を積極的に行っており、これらの取組をより多くの方々に広げていくことが重要です。

こうした考えから、今大会は「つながりが創る復興と防災力」をテーマに、東日本大震災からの10年を振り返るとともに、これからの復興と防災のあり方を考え、震災の経験と教訓を多くの方々へ、そして、未来へ「つなげる機会」にしたいと考えました。

みなさん一人一人が、あらためて震災と向き合うことで、わが国全体の防災力の向上につながる場となるよう、防災推進国民大会2021(ぼうさいこくたい2021)を開催いたします。

【同大会の背景】

平成27年3月「第3回国連防災世界会議」で採択された「仙台防災枠組 2015−2030」では自助・共助の重要性が国際的な共通認識とされ、これを踏まえて防災推進国民会議が発足しました。

2016年より、内閣府は防災推進国民会議、以前から災害被害軽減の国民運動推進を目的として活動している防災推進協議会と協力し、国民全体で防災意識を向上することを目的に、「防災推進国民大会(ぼうさいこくたい)」を開催しています。

防災推進国民会議とは

国民の防災に関する意識向上に関し、広く各界各層との情報及び意見の交換並びに、その他の必要な連携を図り、中央防災会議と協力しつつ、国民の防災に関する意識向上を図るため開催される会議。各界各層の有識者をもって構成し、中央防災会議会長(内閣総理大臣)が開催する。

防災推進国民会議メンバー 一覧(全40団体) 防災推進国民会議メンバー 一覧(全40団体)
防災推進国民会議メンバーからの
メッセージ
  • 全国知事会
  • 鳥取県知事 平井 伸治

災害列島、災害大国とも言われるわが国では、地震や津波、大雨、台風などの頻発する自然災害とたたかってきました。

近年でも、ゲリラ豪雨や線状降水帯などの新しい形の自然災害により、毎年各地で多くの方々が被災されています。

また、いつ発生してもおかしくないとされている南海トラフ巨大地震、首都直下型地震などの巨大自然災害や、新型コロナウイルス感染症との複合災害への備えも喫緊の課題です。

全国知事会では、災害から国民の大切な命と健康を守るため、現場主義と連帯で、47都道府県はもとより、国や関係団体の皆様と今まで以上に力を合わせて歩んでいくことをお誓いします。

国民の皆さまにおかれましても、大規模災害、複合災害に備えるためにも、防災教育の充実、実践的な訓練、災害ボランティアの育成、備えをよろしくお願いします。

東日本大震災から10年半が経過した今、岩手県釜石市で開催される本大会が、国民一人一人が改めて災害に向き合い、力を合わせて乗り越えるきっかけとなることを祈念致します。

  • 全国市長会
  • 会長 立谷 秀清(相馬市長)

東日本大震災の発生から10年が経過しました。

地震・津波による大きな被害を受けた地域は、被災直後は復旧に全力を注ぎ、中・長期的な取組として、住まいの再建や復興まちづくりへ移行してまいりました。

現在、心のケアや風評対策などをはじめとする継続した支援を行いながら、培ってきた経験や整備したハードを生かし、復興の総仕上げから新しいステージへ向けて取り組んでいます。

我々都市自治体の長は、住民に最も近い行政の長として、災害時は、生命、健康、財産を守るため、平時以上の努力が必要となります。

東日本大震災以降も各地で大規模な自然災害が多数発生しており、さらに、新型コロナウイルス感染症という新たな脅威に直面するなど、我々首長は求められる責務の大きさを痛切に実感する状況が続いていますが、全国市長会としては、全国の市区長と連携し、共に協力しながら、防災対策などに努めてまいります。

  • 全国町村会
  • 全国町村会長 荒木 泰臣(嘉島町長)

東日本大震災から10年、熊本地震から 5年が経過しましたが、この間も台風や記録的な豪雨等による大規模な災害が、全国各地で毎年発生しています。尊い命を守るためには、まずは、自助・共助を中心とした一人ひとりの防災意識の向上が不可欠です。「ぼうさいこくたい」は、このことを確認・共有する大切な機会です。

私自身も地元熊本県で地震や豪雨による大きな災害を経験しています。今改めて思うのは、人間は自然の猛威から逃れることはできませんが、過去の経験に学び、多くの人が力を合わせ行動することで、危難から逃れることができるということです。そのためには、これまでの経験と教訓をけっして風化させることなく、今後に活かすことが重要です。

住民の命と暮らしを守ることは、我々町村長に課せられた最大の使命です。

全国町村会は、これからも政府や関係機関、関係団体の皆様と連携しながら、その使命を果たすべく、防災対策に積極的に取り組んで参ります。

  • 全国市議会議長会
  • 会長 清水 富雄

我が国は豊かな自然に恵まれる一方、近年は、集中豪雨や台風、地震など様々な自然災害が頻発し、住民生活の安全・安心が脅かされる甚大な被害が発生しています。

各地方自治体では、新型コロナウイルスという未曽有の事態への喫緊の対応が迫られる中、災害から住民の生命・身体・財産を守るため、様々な取組を行っています。特に、発生から10年が経過した東日本大震災の被災自治体においては、困難な課題が未だ山積する中、迅速な復旧・復興に向けて懸命な努力を積み重ねています。

全国市議会議長会としても、このような地方自治体の厳しい現状を踏まえ、防災・減災対策及び大規模災害からの復旧・復興に向けた取組の一層の充実強化等について、全国の各市議会とも連携し、引き続き取り組んでまいります。

今回の大会では、「~震災から10年~つながりが創る復興と防災力」がテーマとして掲げられていますが、大震災という甚大な災害を経験され、これを乗り越えようとしている被災自治体・住民の皆様からの力強いメッセージとして受け止め、今後の活動に役立てていきたいと存じます。

  • 全国町村議会議長会
  • 会長 南雲 正

未曽有の大災害となった東日本大震災以降も、大規模自然災害が頻繁に発生しています。 今年も集中豪雨による土石流災害や河川の氾濫により、各地で甚大な被害が生じているほか、新型コロナウイルス感染症が流行する中で、多くの住民が不自由な生活を強いられています。

このような状況において、町村議会・議員は、住民に身近な存在として、日頃から住民や集落の声・つながりを意識し、地域の防災施策に反映させるとともに、助け合いの輪が広がるよう地域の防災対策に取り組んでいます。

首都直下型地震や南海トラフ地震等の大規模災害も懸念されていますが、災害はいつどこで起こるかわかりません。コロナ禍において、激甚化・頻発化する災害に迅速・的確に対応し、被害を最小限にとどめることができるよう、防災用品の備蓄、避難場所・避難経路・危険箇所の確認・共有、実践的な訓練の実施等で地域防災力を高め、災害に強い持続可能な地域づくりに取り組んで参りましょう。

  • 公益財団法人 日本消防協会
  • 会長 秋本 敏文

東日本大震災では、巨大津波も加わって、膨大な量の災害廃棄物が発生しました。その後も全国各地で大量の災害廃棄物が発生しています。災害廃棄物は、災害直後の被災者の生活維持にとって大きな問題であるほか、早期の復旧復興を進めるうえでも重要な課題です。

また、東日本大震災では、地元の県、市町村は国と連携し、災害廃棄物の処理に最大限の努力を尽くしました。その経験を活かしながら、より速やかな、適切な廃棄物処理を進めることができるよう、有識者の方々によるセッションを行います。

災害廃棄物の早期かつ適切な処理の重要性、関係者の大変な努力の実態、さらに、一層の改善に向けての総合的な取組みの必要性や具体的な課題等について、幅広いご意見を頂きながら、今後の関係の皆さんのご努力を応援していきたいと思います。

  • 全国消防長会
  • 会長 清水 洋文

全国消防長会は、全国724消防本部の消防長で構成する団体です。地域に密着した防災機関である消防本部の橋渡し役を担い、緊密な情報交換と連携により各種施策を推進しています。

近年、令和2年7月豪雨、熱海市土石流災害など、甚大な被害をもたらす自然災害が相次いで発生しています。

大規模災害発生時には地元消防機関はもとより緊急消防援助隊が全国各地から駆け付け、救助活動などを行いますが、まずは住民のみなさんが自らの命を守るため、安全なうちに早めに避難を完了することを心掛けてください。避難する際はまわりの方とも声を掛け合って、いっしょに避難することで、まわりの方の命を助けることにもつながります。

われわれ消防は、国民の生命、身体、財産を守るという使命のもと、これからも地域住民の期待に応えられるよう結束し、住民のみなさんの安全・安心を守ります。

  • 全国連合小学校長会
  • 会長 大字 弘一郎

大地震に加え、近年、記録的豪雨等による想定を超える自然災害の発生が増えており、防災教育・安全教育の一層の推進が求められています。

全国連合小学校長会では、教育課題の重点のひとつとして防災教育等の学校安全に関する課題を位置づけ、調査研究を進めるともに、研究協議会全国大会等においても、自ら判断し行動できる子どもを育てる安全教育・防災教育の推進をテーマに取り組んできています。また、多くの小学校は災害時には地域住民の避難所として地域防災の拠点としての役割を担うことから、家庭や地域社会、関係機関との連携・協働を図った組織的・計画的な防災教育の充実に向けた情報や取組の共有についても努めてきています。

これからも、子ども、家庭、地域社会の多くの関係者とともに、全国の防災力の向上に取り組んでまいります。

  • 全国高等学校長協会
  • 会長 杉本 悦郎

学校安全の推進は、国の教育政策の重要なテーマの一つになっています。その中で、防災教育と地域・関係機関との連携は、いずれも具体的に取り組む内容として示されています。

高校では、教科や総合的な探究の時間などを通して防災や減災に関する内容を学習するとともに、生徒が災害に対する対応力を高めるよう指導を行っています。学校は、災害が起こったときには、地域の住民の方の避難所としても使用されることもありますが、そのときには高校生が避難所運営などで活躍することが期待されています。私たちは学校の教育活動を通じて、国民全体が防災の機運を高めることに貢献していきます。

この防災推進国民大会2021が、広く国民全体の防災意識を向上させ、災害に強い国づくりに資する機会となることを期待します。

  • 全国都道府県教育委員会連合会
  • 会長 藤田 裕司

東北地方をはじめとして、多くの地域で甚大な被害をもたらした東日本大震災から10年が経過しましたが、現在でも、応急仮設住宅等での避難生活を余儀なくされている住民の方がいらっしゃるなど、被害の深刻さを改めて感じています。謹んで犠牲になられた多くの方々のご冥福をお祈りします。また、一日も早い復興により、皆様の日常が取り戻せますよう、心からお祈り申し上げます。

近年では、毎年のように豪雨などの大きな災害による被害が生じています。このような中、学校では児童生徒に対して災害時に主体的に行動できるよう防災教育の充実を図っています。また、体育館等の学校施設が地域住民の応急的な避難所としての役割を担っていることから、関係部署と連携して、学校施設の防災機能の向上を図っています。

今後も、国民の皆様、関係機関の皆様と連携して防災推進に向けた取組を行ってまいりますので、よろしくお願いいたします。

  • 一般社団法人 公立大学協会
  • 会長 松尾 太加志

復興支援の役に立ちたい。3.11は被災しなかった学生にも大きな衝撃でした。自分たちで何かできないか、そう思った学生は少なくなかったでしょう。ボランティアへと駆り立てた学生の思いをつなぐ場となったのが、公立大学協会が支援したLINKtoposです。公立大学の学生たちがつながる(link)場(topos)として、毎年テーマは異なるものの、ワークショップ形式で学生大会が開催されるようになりました。

そして、3.11から10年、2021年の今年は、奇しくも 「ぼうさいこくたい」が開催される同じ岩手県の岩手県立大学を主催校としてオンラインで開催しました。あれから10年たち、これからどうやって防災に向き合うのか、全国から集まった公立大学生がワークショップで熱く語り合いました。その目指すものは「ぼうさいこくたい」と同じ思いでしょう。公立大学協会は、その学生の思いを支援し、若い人が防災に関わり災害を防ぐことにつながることを願っています。

  • 日本私立大学団体連合会
  • 会長 田中 愛治(早稲田大学総長)

世界は今、新型コロナウイルスによるパンデミックという未知の災害に立ち向かっています。更に、環境破壊、温暖化などの地球規模の課題が深刻化し、とくにわが国においては地震や豪雨などが多発する状況にあっては、国民の防災に関する意識の向上が、より一層重要になります。

このような現状下において、東日本大震災から10年が経過した今、「防災推進国民大会2021」が、岩手の地で開催されることは大変意義深いことと存じております。

私立大学の施設は、学生や研究者の学修研究の場であるというだけではなく、災害時においては、被災地域の住民の避難所や復興に向けたボランティアセンター等として、地域における重要な拠点の役割を担うなど、防災・減災や復旧・復興を支えています。また、私立大学は、これまでの経験をもとに被災地から考える未来型の教育モデルづくりや防災教育を推進しています。

大学生の8割の教育を担う私立大学は、未知の課題に取り組む人材を育成し、大学の知的資源の活用によって、防災や災害復興の拠点としての役割を果たすべく、更に積極的に取り組んで行く所存です。

  • 日本学術会議
  • 日本学術会議会長 梶田 隆章

日本学術会議を代表し、東日本大震災により被害にあわれたすべての方々、今も困難に直面されている皆様に、改めて心よりお見舞いを申し上げます。私たちは、この震災が極めて長期にわたる深刻な災害であることを認識し、科学者として学術を基盤に復興・創生に貢献する決意を新たにしています。

震災から10 年を経て、地球温暖化による気象災害の頻度が増し、毎年のように発生する多くの災害から命を守るためには、学術分野を超え、様々な分野の専門家が集まって知恵を結集して取り組むことが重要であり、科学的知見を深め、かつその知見を科学的根拠として現実に活かすことの重要性もますます問われています。

このたびの防災推進国民大会において、日本学術会議も、60の関連学協会からなる防災学術連携体とシンポジウムを共催します。防災に関する科学リテラシーの普及、そして、科学者と社会との実りある対話の機会となりますことを心より願っています。

  • 防災学術連携体
  • 代表幹事 米田 雅子

日本は地震・津波による災害、台風や前線活動に伴う風水害・土砂災害・豪雪災害、火山爆発など、自然災害が多い国であり、感染症対策とともに自然災害への備えを常に進める必要があります。このような防災・減災の対策には、災害に関する正しい理解と情報が不可欠であり、多くの専門分野の知見が必要です。防災学術連携体は、防災・減災の多様な分野に関わる60の学協会が、日本学術会議を要として集まり設立された学術団体です。専門分野間の連携を進めるとともに、社会や一般市民に向けて災害に対する事前の備えや災害時の対応などに関する情報を、わかりやすく伝える活動をしています。地球温暖化の影響も受けて、これからますます気象現象も激化すると思います。今後の、防災・減災のための自助・共助・公助の一層の推進に向けて、皆様と一緒に取り組んでいきたいと考えています。

  • 日本放送協会

新型コロナウイルスの脅威が収まらない中、ことしも大きな自然災害が相次いでいます。 命と暮らしを守る防災・減災報道は、NHKの最も重要な使命の一つです。東日本大震災をはじめとする災害の経験を伝え、将来起こりうる危機に備えるための情報発信に全放送局をあげて取り組んでいます。

身の危険が迫っていることに気づけず、逃げ遅れてしまう事態も後を絶ちません。災害の危険性をもっと「自分事」としてとらえていただけるよう、避難の呼びかけ方の工夫も続けています。お住まいの地域のリスクを知り、どうすれば危機を回避できるのかを日ごろから考えていただけるようなニュースや番組作りに努めます。

テレビ・ラジオだけでなく、アプリやWebサイトなどデジタルの分野、イベントも最大限に活用し、地域のみなさん一人ひとりに合わせたきめ細かい情報を伝えることで、これからも公共メディアとしての役割をしっかりと果たして参ります。

  • 公益社団法人日本医師会
  • 会長 中川 俊男

今年は東日本大震災から10年になります。この10年間、日本医師会では防災力を推進するために、日本医師会災害医療チーム(JMAT)の創設、災害対策基本法上の指定公共機関への指定、中央防災会議への参画、日本災害医学会との災害医療に関する相互協力協定の締結等、様々な取り組みを着実に進めてまいりました。

また東日本大震災以降発生した、地震災害や豪雨災害などの実災害の教訓も生かしながら、ソフト、ハード面の体制整備を進めてきました。

今回、日本医師会では、「災害時における情報共有」をテーマに、実災害での情報共有や、関連事業者の方々のご協力を得ながら構築している情報共有ツール、衛星を利用した医師会やJMATの情報通信などをご紹介させていただきます。

日本医師会としては、今後とも新たな知見をアップデートしながら、医師の専門家集団の立場から国民の皆様のお役に立てるよう努めてまいります。

  • 公益社団法人 日本薬剤師会
  • 会長 山本 信夫

昨年から続く新型コロナウイルス感染症の流行は、人々の健康や経済に深刻な影響をもたらしました。ワクチン接種の推進や感染者数の減少など、収束に向けてわずかながら明るい兆しも見えてはきたものの、未だ完全に終息するまでにはしばらくの時間を要すると思います。こうした環境の中で、本大会が現地とオンラインのハイブリッド方式で開催されることからも伺えるように、すでに多くの国民の方々にあっては、アフターコロナに向けた動きが始まろうとしています。

日本薬剤師会は、宮城県薬剤師会の協力のもと、同会所有のモバイルファーマシー(災害対応医薬品供給車両)を本大会に展示します。モバイルファーマシーは被災地における医薬品提供に必要な機能が搭載され、これまでも多くの被災地に出動し、避難された方々のお手元に医薬品を届けてきました。その実績は高く評価され、有事に備えた全国的な普及展開が今後も期待されています。医療機関等に大きな打撃を与えた東日本大震災の教訓をもとに開発されたモバイルファーマシーを、震災から10年が経過し、復興した三陸で、皆様にご覧いただけることは、意義あることと感じています。

新型コロナウイルス感染症の感染者数は減少傾向にありますが、まだまだ感染防止の警戒を緩めることはできません。そのような中でも自然災害は前触れもなく発生します。今後とも日本薬剤師会では、薬剤師の職能を発揮し、いかなる状況下でも、国民の皆様に必要な医薬品が適切に提供できる体制の維持に努めて参る所存です。

  • 公益社団法人日本看護協会
  • 会長 福井 トシ子

未曽有の被害をもたらした東日本大震災から、10年の年月が経ちました。改めまして、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りいたしますと共に、ご遺族の方々、被害にあわれた多くの方々に心からお見舞いを申し上げます。

東日本大震災以降も、日本の各地で地震や豪雨などの災害が多発しています。これらの災害の経験を通じて、私たちは、災害に備え乗り越えていくために人と人、そして、人と地域がつながり、ともに支え合うことの大切さを、あらためて強く認識しています。

看護職は、どのような状況にあっても、人々のいのち・暮らし・尊厳を守り支える役割を担っています。これからも、一人ひとりの生きる力がつながり、未来へと進んでいけるよう、皆さまの身近なところで「自助」「共助」のための行動に、一層貢献してまいります。

防災推進国民大会2021が、これからの復興と防災のあり方を考え、震災の経験と教訓を多くの方々へ、未来へ「つなげる」機会となることを、期待しています。

  • 社会福祉法人 全国社会福祉協議会
  • 常務理事 金井 正人

「身近な地域で災害に備えた連携と協働を築きましょう」

社会福祉協議会は、1995年の阪神・淡路大震災を契機に、大規模災害発生時に災害ボランティアセンターを設置し、ボランティア活動を被災者につなぐ取り組みを続けてまいりました。

近年、大規模かつ広域の災害が発生することが増えている中で、被災地外部からの支援にのみ頼らず、地域で災害に対応する準備を進めることも重要となっています。 社会福祉協議会では、自治体等とも協力しながら地域住民、社会人、学生、民生委員・児童委員、社会福祉法人・社会福祉施設、NPOなど地域の多様な人や組織が連携・協働して災害に備える仕組みづくりに取り組んでいます。

皆様、ご一緒に災害に強い街づくりを進めましょう。

  • 日本労働組合総連合会(連合)
  • 会長 芳野 友子

労働組合の全国組織である連合は、働く人が報われる、様々な人が社会参加できる、「働くことを軸とする安心社会」をめざしています。

阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本地震の他、頻発する台風・豪雨など、大規模災害が起こる度に、連合は全国の仲間とともに救援カンパや災害ボランティア派遣など、被災地に寄り添い、復興・再生に向けて取り組みを進めています。また、災害に強い社会、被災者が報われる仕組みをつくるため、政府・政党などに対して、働く人、生活者の立場から様々な政策を提言し、実現に結びつけてきました。

一日もはやく穏やかな生活を取り戻してほしい。希望を捨てないでほしい。そんな想いを胸に支援活動に取り組むことが、社会の一員である連合の使命なのです。一人ひとりの力は小さくても、人と人がつながることで、困難は乗り越えていけます。支え合い、助け合う社会づくりのために、ともに頑張りましょう!

  • 公益社団法人日本青年会議所
  • 会頭 野並 晃

防災推進国民大会2021に際し

新型コロナウイルス感染症の終息が見えない中、多発する自然災害の猛威に対し、我々青年会議所も国土強靭化への取り組みと災害対応を実施しています。 本年7月には伊豆山土砂災害、8月にも大雨による災害等が九州地方を中心として発災致しました。これらの災害に対し、我々青年会議所は全国社会福祉協議会や行政、NPO団体及びその他の関係諸団体との連携を図りながら様々な支援活動を今もなお展開しています。 また、災害に対する平時からの備えと致しましては、防災・減災の意識を醸成する事業の実施や地域のレジリエンスを高めるためのネットワークやコミュニティを構築しています。さらに、リダンダンシーの確保といった強靭な国土形成を促すインフラ投資への提言も進めています。

本大会が国民の防災意識の醸成に寄与し、有事に備えたレジリエンス力の向上につながることを祈念致します。

  • 日本赤十字社
  • 社長 大塚 義治

災害時には、平時の課題が顕在化すると言われています。

災害への最初の対応を求められる地域コミュニティーが、平時から抱える課題を克服し、災害対応能力を強化することが求められています。

日本赤十字社は、赤十字防災セミナーなどを通じて、災害時に、地域のみなさまが、自分自身とご家族のいのちを守り、地域での助け合いができるよう、一緒に取り組んで参ります。

今日の災害は、さまざまな人道課題が複雑に絡み合う複合災害です。

国、地方自治体、企業、NGO、学校、ボランティア、地域の方々が、頻発化する大規模災害に備えるために、平時から連携して防災・減災に取り組んで行きましょう。