災害中間支援組織って何?
-その模索と萌芽-
主催団体: 一般社団法人 地域安全学会 実務者企画委員会
専門向け(学術界), 自治体向け
- ボランティア
- 防災行政
近年、大規模災害においてはボランティアなど多くの団体が現地で様々な支援を行っていますが、一方で円滑、効果的な活動のためには各団体間の十分な連携、調整が必要です。
国の防災基本計画修正においても、その役割を担う災害中間支援組織の育成、強化が明確化されるなど注目が高まっていますが、行政側も「そもそも災害中間支援組織って何?」「どうやって関わっていけばいいんだろう?」と思っているのが大半ではないでしょうか。
そこで今回は、各地で中間支援に携わっている方々から、これまでの活動の経緯や課題、先進的な取組を紹介いただきながら、今後どう取り組んでいくかなど、研究者、行政実務者も交えながら議論を深めたいと思います。
本委員会は、防災関係者の間で、実務に役立つ実践的な知見を得て、それぞれの業務に活かすことで地域安全の向上に資することを目的としています。 学会内の委員会ですが、委員12名のうち行政職員8名、研究者4名で、より実務に役立つことに重きを置いています。普段は、実務者側のニーズの高いテーマで2箇月に1回程度オンライン勉強会を開催していますが、ぼうさいこくたいでは、会場から勉強会を発信します。
明城 徹也
(認定NPO法人)全国災害ボランティア支援団体ネットワーク 理事・事務局長
福井県出身。米国の大学を卒業後、建設会社勤務。その後、NGO業界に転身、パキスタン地震被災者支援や南スーダン帰還民支援等のプロジェクトに携わる。東日本大震災では、ジャパン・プラットフォームの職員として、発災直後より現地入り、被災者支援・復興支援に従事。行政・社協・NPO等の支援者同士の連携・調整に時間を費やした経験から、新たなネットワークの必要性を痛感。2013年より「全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)」の設立準備会議に参加し、2015年の関東・東北豪雨水害(茨城県常総市)や2016年の熊本地震において、現地での支援者コーディネーションに努める。2016年11月のNPO法人 JVOAD設立を機に、事務局長に就任。
冨永 達也
宇和島市総務企画部危機管理課 課長補佐
2005年(平成17年)から宇和島市役所勤務。
平成30年7月豪雨にて大きな被害があった宇和島市吉田町の現地支援班として、災害支援の窓口業務等を担当し、災害ボランティアとの連携しながら被災地の支援を実施。
現在は、危機管理課に所属し、平成30年7月豪雨宇和島災害復興本部の事務局として、被災地の支援を継続している。松島 陽子
(NPO法人)U.grandma Japan 代表理事
4人の子育て中にPTA活動を行い、愛媛県PTA連合会の副会長や宇和島市PTA連合会会長として活動。現在は顧問。
会社経営をしながら、NPO法人や子ども食堂のネットワークの代表ならびに事務局として毎日奔走中。
平成30年7月豪雨災害をきっかけに、人と人とのつながりがとても大切だと思っています。太田 智久
富士市危機管理室防災危機管理課 統括主幹
平成20年4月に現所属に配属され、以降防災一筋16年目。
平成27年度には内閣府防災担当で「避難所運営ガイドライン」策定の事務局を務める。
平成30年4月、トイレトレーラーを富士市で全国初導入。みんな元気になるトイレネットワークの仕組みを(一社)助けあいジャパンと共に推進している。
平成30年西日本豪雨では静岡県ボランティア協会による足湯ボランティアに参加。広島県の避難所でボランティアにしか見えない景色を見た。加藤 慎也
富士市社会福祉協議会ボランティアセンター 上席主事
平成24年入職。令和元年度よりボランティアセンターに所属し災害支援を担当。これまで静岡県内外の災害支援に従事し、令和元年度から3年連続被災している県内の災害では発災直後から支援活動に携わり、令和3年7月、令和5年6月の富士市内での浸水被害では市災害ボランティアセンターを開設。市や青年会議所など、関係機関との災害時連携協定締結も進めている。静岡県南海トラフ巨大地震等に備えた災害ボランティアネットワーク委員会委員としても活動。
小松 剛
伊那市総務部危機管理課 係長
平成12年度入庁。平成27年度長野県危機管理部へ派遣。平成30年度より現課。神城断層地震では被災宅地危険度判定士として活動、御嶽山噴火災害再捜索では現地対策本部活動調整班主担当として従事。他、全国の被災地にて現地踏査等実施。市民向け防災講座、自主防災リーダー向け研修、福祉防災・各種防災計画・BCP作成支援、災害ボランティア養成等を担当。
岡田 恵実
豊橋市防災危機管理課 主事
平成29年度、育休代替職員として入庁。災害ボランティアコーディネーター業務などを経て、令和3年度正規採用。現在は、防災ガイドブック更新などの計画関係業務に携わる。名古屋大学減災連携研究センター受託研究員。業務外では、防災啓発ボランティア活動、豊橋市消防団女性分団分団長、陸上自衛隊一般公募予備自衛官など。
小山 真紀
岐阜大学流域圏科学研究センター 准教授
岡山県倉敷市出身。博士(工学)。NTTでの勤務を経て1999年より(財)地震予知総合研究振興会東濃地震科学研究所入所。2010年より京都大学安寧の都市ユニット特定准教授。2015年より現職。専門は地域防災学。災害が起きたときに人がどのような困難に陥るか、それを軽減するためにはどうしたらよいかについて、関係者と協働しながら実践研究を進めている。 https://researchmap.jp/makik
古橋 勝也
京都府危機管理監付 参事
平成14年京都府採用。主に危機管理、防災、消防行政に従事し、近年は新型コロナウイルス対策を担当。京都府災害ボランティアセンター初動支援チーム所属。これまで府内の豪雨災害の対応のほか、東日本大震災や熊本地震など他府県の地震、豪雨災害でも広域応援の際には現地に派遣され、自治体職員としての被災自治体の支援や、ボランティアセンター員としての支援活動に携わっている。